ABOUT NAPI

 精神分析的間主観性研究グループ

The National Association for Psychoanalytic Intersubjectivity
 (NAPI)


 米国精神分析は、1980年代以降、二者心理学、間主観性理論、システム理論、プロセス理論、関係性理論、倫理的転回を発展させてきました。これらの理論は、それまでの精神分析の理論、すなわち欲動論や自我心理学、対象関係論の基本的な概念をその内に含みつつ、より大きな実践的臨床理論として飛躍を遂げています。2000年代に入ると、さらに扱うテーマを広げ、精神分析臨床のみならず、社会文化的な問題や、政治、実存的問いなど、広く人間が抱える苦悩や喜びをもその議論の対象とするようになってきました。哲学者や神学者、経済学者、社会学者とともに学際的な議論が重ねられ、より大きな視座から、人間の問題に取り組んでいます。

 米国のこうした動きは、残念なことに、一部の臨床家を除いて日本ではほとんど知られていないのが現状です。しかし日本人も、自らの考えを世界に発信する意識を持って学習し、世界の流れと歩調を合わせて、精神分析の臨床に貢献していくべき時期であると、私たちは考えます。中でも間主観性理論はまさに、文化的、政治的、人種的に、辺縁にいる人の視座の重要性を意識する理論であり、私たち日本人の貢献は重要な意義を持ちます。

 そのような貢献を果たしていくにあたって、重要なことは何でしょうか。私たちはそれを精神分析の基礎を実践的かつ理論的に地道に学習できる場所と、学習の成果を国際的水準で自らの考えとして応用、発展させられる場所だと考えます。わが国では、変化の兆しはあるものの、そのような場所を得ることはどちらも容易ではありません。そこで私たちは、その二つの場所を作るために、「精神分析的間主観性グループ」を設立することにしました。

    精神分析的間主観性研究グループは、関係論、間主観性理論、自己心理学を基本的な考えに持ち、その領域で自らの考えを内外に発信するために、数年に一度国内外の学会で自らの考えを発表したり、書籍や学術論文を出版する意識を持った者が相互に議論したりすることで、互いの学術的見識と臨床実践を高めていくことを目的としています。興味のある方はぜひご入会ください。

                                      会長 富樫公一


(会員組織)

・精神分析的間主観性研究グループに認定会員と準会員をおく。

認定会員は 1)~4)の基準のいずれか一つを満たし、認定会員の前で精神分析療法又は精神分析的心理療法の自験例を発表し、その臨床実践力及び臨床事例を精神分析的に記述する能力が十分であると認められた者。ただし、これまでの出版した著作等によって、臨床実践力及び臨床事例を精神分析的に記述する能力が十分であると認められる者についてはこれを免除する場合がある。

1) 精神分析的な考えに基づき国内外の学会で発表した経験を持つ者(自主シンポジ ウムでの発表はこれに含まない)

2) 精神分析的な考えに基づき国内外の学術雑誌に査読付き論文またはそれに準じる 論文を発表したことがある者(紀要等での出版はこれを認めない)

3) 国内外で精神分析的な学術書籍又はそれに準じるものを出版したことがある者

4) 未公刊の単著又は主著者の論文を提出し、認定会員 2 名の査読によって精神分析的な考え方に基づき議論を行うだけの力があると認められた者

・準会員は2に定める基準を満たさない者で、認定会員になることに強い関心がある精神分析療法または精神分析的心理療法、あるいは、精神分析的な考えに基づく臨床実践を 行っている精神衛生の専門家とする。精神衛生の専門家は、原則として、医師、臨床心理士、公認心理師、または、それに準じる海外の資格を有する者とする。

(会費)

年会費は以下に定めることとする。

1) 認定会員 25,000円 2) 準会員 20,000円


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【Email 】

NAPI事務局:napi.jimu@gmail.com

入会のお申し込みは下記の「NAPI入会申し込みフォーム」よりお願いします。