小林陵会員と吉沢伸一会員が携わった訳書の新刊です。
「物語と治療としての精神分析」
[出版予定日] 2023/11/2
[価格] 4,400円(税込み)
[概要] 著者のアントニーノ・フェロは、クライン派精神分析の訓練を受けた後、ビオンの革新的なアイディアと南米のバランジェ夫妻のフィールド理論に強く影響を受け、さらに物語論を参照し独自の観点から「ビオニアン・フィールド理論」を構築したことで知られる。
本書では、治療関係を捉える「転移-逆転移」という従来の枠組みを更新し、「フィールドの機能」という新しい視座を提唱している。患者と分析家双方によって織り成されるフィールドにおいて、二人の心の交わりがナラティヴとしていかに表現されるのか、そしてそれをどう理解し共同の語り直しが展開していくのかが多彩なケース・ヴィネットとともに示される。
文学作品や映画から物語を読み解く臨床的示唆を得ながら、生じうるナラティヴのマトリックスとしてのフィールドを精神分析的に探究する魅力的な論考。
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